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生活情報 油断大敵!とっても怖い熱中症

油断大敵!とっても怖い熱中症

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更新日:2017年07月14日

熱中症で倒れる人は年々増加傾向にあります。熱中症は、夏の強い日射しの下での運動や、何か作業をする時だけではなく、身体が暑さに慣れていない梅雨明けの時期にも起こるといわれています。また中には室内で過ごしている時に熱中症にかかることも。症状が重いと命に関わることもありますが、正しい知識があれば予防することができます。対策と予防をしっかり行い、素敵な夏を過ごしましょう。

熱中症の種類

熱中症とは総称であり、実は4つの種類に分類されます。それぞれの症状を把握し、正しい応急処置を行いましょう。

①熱疲労

大量に汗をかき身体の水分や塩分が不足している場合におこります。

急激に気温が上昇した日などは身体が暑さに慣れていないために体温調節がうまくできず、熱疲労をおこしやすくなります。

めまいや吐き気、頭痛、全身の倦怠感などの症状が現れます。衣類をゆるめ、水分をしっかりと補給すれば症状はおさまります。

②熱痙攣

運動中によく起こります。

激しい運動をして汗を大量にかいたのに水分だけを補給して塩分を補給しなかったために、血液中の塩分濃度が低下し、筋肉に痛みを伴った痙攣がおこります。

水で薄めたスポーツドリンクを飲んだり痙攣をおこした箇所を冷やすようにしましょう。

③熱失神

気温が高い環境で激しい運動をした時などにおこります。

体内の水分が急激に減少し、脱水状態になることで血液の循環機能に異常をきたし、脳に血液が十分送ることができなくなってしまいます。それにより、めまいや失神がおき、急に意識がなくなります。

熱失神をおこした時は、身体を冷やして安静にすることを心がけましょう。

④熱射病

4つの種類の中ではもっとも症状が重くなります。

体温の上昇に身体が対応しきれずに脳などに異常をきたしている状態で、意識障害やショック症状、全身の痙攣などをおこし、死に至ることもあり大変危険です。

すぐに救急車を呼んで医療機関にかかる必要があります。救急車を待っている間は、全身に水をかけたり、濡れタオルを当てて身体を冷やすなどをして応急処置を行いましょう。

また、脇の下、大腿部の付け根などの大きい血管を水やアイスパック等で冷やす方法も効果的です。

様子がおかしいときにはすぐに医療機関へ

万が一周りの人が熱中症にかかった場合、上記のように正しい応急処置が必要ですが『本人の意識がはっきりしていない』、『自分で水分や塩分(ナトリウム)が摂取できない』、『冷やしたり、水分を取らせても症状がよくならない』という点のどれかに当てはまったら直ちに医療機関に連れて行きましょう。

熱中症が起こりやすい時期・条件

熱中症は炎天下での作業やスポーツなどを行っている時だけに起こるものではありません。

梅雨明けのまだ体が暑さに慣れていない時期には、軽い作業でも熱中症にかかることがあります。また家の中でも風通しの悪い場所では体に熱がこもりやすくなり、熱中症を起こしやすくなります。

以下の熱中症にかかりやすい条件に注意しましょう。

  1. 気温が高い日
  2. 気温が高くなくても、雨上がりなどの湿度が高い時
  3. 風が弱い
  4. 日差しが強い
  5. 照り返しが強い
  6. 梅雨明けしたばかりの頃
  7. 急に暑くなる日(前の日に比べて特に気温があがった時なども要注意)
  8. 暑いものがそばにある

熱中症予防に重要な水分補給の仕方

熱中症には上記で説明してきたように水分の補給が重要です。また、水分補給は「汗をかいていなくても、喉がかわいていなくても水分を取る」ことが大切。室内にいても、汗をかいていなくても、人は身体から水分が蒸発しているのです。活動量に関係なく水分はしっかり取りましょう。

1. 少量の水分をゆっくりとる

200ml程度の水を一気飲みではなく、ゆっくりと飲むように心がけましょう。一度に多量に水分を摂ると吸収が悪くなり胃にもたれたり、心臓や腎臓にも負担がかかります。また運動中は20分~30分ごとに一口~200ml程度を飲むようにしましょう。

2. 5~15℃の水分をとる

キンキンに冷えていればいい、ぬるければいい、というわけではなく体への吸収が早くクールダウンが効果的にできて飲みやすい5℃~15℃の水分を補給するのがポイントです。水温10℃での水分補給が脱水症状を起こしにくくするといわれています。

3. 塩分や糖分も一緒にとる

汗をかくとミネラル分が不足するので、糖分と塩分を適度に含んだ飲み物を補給しましょう。

0.1~0.2%程度の塩分を一緒に摂取すると水分の吸収速度がより早くなり脱水症状が改善されます。また糖分を摂取する場合、体重1kgあたり1日1g程度に抑えるのが望ましいとされます。

糖度が5%を超えると水分の吸収率が悪くなるので、市販のスポーツドリンクを飲む場合には糖分濃度を確認し、水で薄めて飲むとより身体への吸収が早くなります。

4. 水分補給のタイミングを知る

喉の渇きを感じた時、身体は既に水分が不足している状態になっています。熱中症を予防するためには喉の渇きを感じる前に水分補給を行うのがポイントです。

激しい運動をしたときや暑いと感じているようなときは早めに水分補給する、また軽い運動をしたときや運動時間が短い、寒いと感じるときなどは少し遅めに水分補給するなど、自分の身体にあった水分補給をおこなってください。

発汗した量を目安にしてそれに応じた水分補給をすると運動後の疲労感は少なくなります。

こんな人は熱中症に要注意!

乳幼児

乳児や幼児は大人より新陳代謝が良く体温が高いのですが、大人と比べて汗腺が未発達なため、うまく体温調節をすることができません。炎天下の車の中など、温度が高くなる場所では短時間で体温が上昇し、身体に害を及ぼす影響があります。

また気温が高い晴れた日に外出する時も注意が必要です。晴れた日は地面に近いほど気温が高くなります。ベビーカーに乳幼児を乗せて外出するときは、様子を見ながら十分気をつけるようにしましょう。

【乳幼児の熱中症を防ぐポイント】

  • ・顔が赤く、汗をたくさんかいている場合は、涼しい場所へ移動しましょう。
  • ・暑さに応じて脱ぎ着できる服装にしましょう。
  • ・水分はこまめに補給しましょう。
  • ・日頃から外遊びをさせるなど、暑さに慣れさせておきましょう。
 

高齢者

高齢者の身体の中の水分は、子どもが70~75%、大人が60%という割合に比べて50~55%と非常に少なくなります。同じ環境にいても高齢者の方が熱中症になりやすいのはこのためです。

加えて高齢者は暑さやのどの渇きを感じにくくなっているため水分を補給することが難しいのです。また体内の機能が低下しがちなため、熱中症になった時の症状がより重篤になりやすい傾向にあります。

高齢者の熱中症の特徴として室内で多く発生していることがあげられます。こまめに温度を確認したり、水分を補給するように心がけましょう。

【高齢者の熱中症を防ぐポイント】

  • ・こまめに水分を補給しましょう。
  • ・暑いときは無理せずゆっくり休みましょう。
  • ・部屋の風通しを良くしておきましょう。
  • ・エアコン、扇風機を活用しましょう。

自分で作るスポーツドリンク

市販で売っているスポーツドリンクは糖分が多く含まれているものもあり、適量飲む分には問題ありませんが、夏場は暑さから多くの水分を摂取してしまうので、糖分の過剰摂取となってしまいます。そこで自宅で簡単に作れるスポーツドリンクをご紹介します。

用意するもの

  • ●水…1リットル
  • ●砂糖…大さじ4
  • ●塩…小さじ半分
  • ●レモン汁…大さじ2

作り方

上記の材料をペットボトル、または水筒にいれ、砂糖や塩が水に溶け混ざったら完成です。
砂糖を蜂蜜に変えたり、レモンをカボスや柚子に変えたりと、自分の好みにアレンジしてもいいですね。