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生活情報 七夕の起源や食べ物は?知っておきたい七夕の豆知識

七夕の起源や食べ物は?知っておきたい七夕の豆知識

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更新日:2019年07月01日

七夕(たなばた)は一年間の節目となる「五節句」の1つとして数えられており、今でも日本で親しまれている行事。織姫と彦星が年に一度だけ会える日という物語も有名ですよね。今回はそんな七夕のルーツや、行事食についてご紹介します。

七夕の由来

七夕の起源については諸説あるそうですが、もともと日本にあった「棚機(たなばた)」という年中行事と、中国から伝わってきた「乞巧奠(きこうでん)」、そして「織姫と彦星の伝説」があわさり、現在のような形になったと考えられています。

「棚機」や「乞巧奠」など聞き慣れない言葉が多いと思いますが、それぞれ詳しく紹介していきます。

織姫と彦星の物語

織姫と彦星

天の川の西岸に住む機織りの名手・織姫(おりひめ)と、東岸に住む働き者の牛使い・彦星(ひこぼし)は、織姫の父親・天帝の引き合わせで夫婦に。

ところが結婚してからの二人は自分の仕事を休むようになってしまい、怒った天帝は天の川で二人を離れ離れにします。

天帝は七夕の夜に限り二人が再開することを許し、年に一度の逢瀬をするようになったのだとか。

七夕伝説は中国で生まれたもので、織姫は「織女(しゅくじょ)」、彦星は「牽牛(けんぎゅう)」という名前で呼ばれています。

琴座の織女(ベガ)は裁縫を、鷲座の牽牛(アルタイル)は農業の仕事をつかさどる星と考えられており、この二つの星が天の川をはさんで光り輝いているように見えることから、七夕のストーリーが生まれたそうです。

棚機(たなばた)とは?

機織りイメージ

棚機(たなばた)は、主に農村部でさかんに行われていたとされています。

いわゆる「禊(みそぎ)」の行事で、稲の開花時期に村の若い女性が着物を織って棚に供えて、豊作を祈ったり、穢れ(けがれ)をはらったりするというもの。

女性は川などの清らかな水辺にある小屋(機屋 はたや)にこもり、このとき着物を織るのに使われた機械が「棚機(たなばた)」という織り機でした。

やがて日本に仏教が伝えられてからは、お盆を迎えるための行事として、旧暦7月に行われるようになったそう。
「七夕」の読みである「たなばた」は、この「棚機」にちなんでいると考えられています。

乞巧奠(きこうでん)とは?

天の川

中国から伝わってきた「乞巧奠(きこうでん)」は織女(織姫)にゆかりのある行事。

「乞」は「願う」、「巧」は「巧みに、上達する」、「奠」は「まつる」という意味があるそうで、庭先の祭壇に針や五色の糸を供えて祈り、機織りや裁縫の上達を祈りました
やがて芸事や書道といった、習い事全般の上達を願う行事に変化していったそうです。

日本にも平安時代に中国から伝わり、宮中行事に取り入れられます。同じように芸事の上達を願う行事で、神聖な木とされていた「梶(かじ)」の葉に和歌を書き、お祀りしていたそうです。

七夕飾りと短冊の意味

七夕には願い頃や七夕飾りを笹の葉につけますが、それぞれに意味や願いが込められています。

竹

冬でも緑色でまっすぐにのびる笹や竹は不思議な力を持つ神聖な植物と考えられています。本来はお祀りした後に川に流して清めますが、これは穢れをもっていってもらうという意味があるそうです。

短冊

短冊に願いを書く少女

願い事を書く「五色の短冊」には、古代中国の陰陽五行説に基づいた「青・赤・黄・ 白・黒(紫)」が使われ、木=青、火=赤、土=黄、金=白、水=黒を表しています。

吹き流し

織姫の織り糸を表し、五色を使うことから魔除けの意味も。

網飾り

魚を捕る網を表したもので、豊年豊作大漁の願いが込められています。

折鶴(千羽鶴)

長生きを願って、長寿のシンボルである鶴をモチーフにしたもの。

七夕飾り

神衣(かみこ)

紙で作られた人形や着物のことで、裁縫が上達を願います。着るものに困らなくなるといわれ、人形に災いや穢れを移して身代わりになってもらうという意味も。

財布(巾着)

金運上昇を願ったもの。本物の財布を飾ることもあるのだとか。

くずかご

七夕飾りを作る時にできる紙くずを、折り紙で作ったかごに入れたもの。ものを粗末にしないことから、整理整頓や物を大切にといった倹約の心をはぐくむという意味が込められています。

七夕の行事食

そうめん

あまりなじみがないという方も多いと思いますが、七夕の行事食は「そうめん」です。

その由来は中国から伝わった伝説で、「索餅(さくべい)」という小麦粉のお菓子を7月7日に食べると無病息災で過ごせるというもの。索餅はやがて作り方や形を変えて「そうめん」へと変化し、七夕にはそうめんを食べるようになったと考えられています。

天の川や織姫の織り糸に見立てているという説もあります。

七夕向けレシピ例

うなぎそうめん
【うなぎそうめん】

カリッと揚げ焼きにした豚肉とナスを甘酸っぱい南蛮酢で味付け。お好みで夏野菜を加えてもおいしいです。

塩そうめんチャンプルー
【塩そうめんチャンプルー】

冷たいそうめんもおいしいですが、たっぷりの具材と炒めてそうめんチャンプルーにすると、野菜もしっかり食べられます。

きらきら七夕クッキー
【きらきら七夕クッキー】

星の形にくりぬいたキラキラかわいいステンドグラスクッキー。意外と簡単にできるので、お子様と一緒に作るのもおすすめです。

つぶつぶみかんのパンナコッタ
【つぶつぶみかんのパンナコッタ】

星の形にくりぬいたゼリーを飾って、七夕にぴったりなかわいいゼリーに。みかんは形を残してあるので、つぶつぶとした食感も楽しめます。

岡山で七夕とゆかりのある神社

星尾神社の七夕祈願祭

岡山県内にも「星」や「七夕」と、ゆかりのある神社があることをご存知でしょうか。

井原市美星町にある「星尾神社」は、流れ星伝説が残る神社。毎年「七夕祈願祭」を開催しており、全国から集まった約10万枚もの短冊を焚き上げ、願い事の成就を祈願しています。

星尾神社がある美星町は星空が美しい町としても有名で、星尾神社には星にまつわる伝説も伝わっています。ぜひ七夕とあわせて、星の美しさも楽しんでみてはいかがでしょうか。

星の郷・美星町で星空が楽しめる場所3選

はじめは宮中行事として行われていた七夕ですが、江戸時代になると庶民にも広まっていき、現在まで受け継がれています。

七夕の願い事は何を書いても良いというイメージでしたが、もともとの由来や起源を考えると、「芸事」に関する願いごとの方が叶いやすいのかもしれませんね。

大人になってからはあまり七夕はやらなかったという方も、七夕の日にはそうめんを食べるなど、暮らしに取り入れてみてはいかがでしょうか。

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