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生活情報 2019年の冬至は12月22日!冬至の由来と行事食や柚子湯の作り方

2019年の冬至は12月22日!冬至の由来と行事食や柚子湯の作り方

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更新日:2019年12月05日

2019年の「冬至(とうじ)」は12月22日です。冬至といえば、「かぼちゃ」を食べて、「柚子湯」に入るのが伝統的ですが、そもそも何故このような慣習が生まれたのでしょうか?今回は、知っているようで知らない「冬至」のルーツを探ってみました。

「冬至」ってどんな日?

日の出イメージ

「冬至」とは二十四節気の一つで、「日短きこと至(きわま)る」という意味。

つまり、「1年で最も太陽が出ている時間が短い日」ということです。1番短い日ということは、次の日からはだんだん太陽の出ている時間が長くなる、太陽の力が強まっていくということ。

ここから、冬至は太陽の力が再び甦る日、陰の気から陽の気に転じて運気が上昇する日とされ「一陽来復」とも呼ばれました。

クリスマスのルーツは冬至?!

クリスマスのイメージ

冬至は、日本だけでなく世界的にも重要な日として考えられていました。

世界の多くの種族では、「冬至」が一年の始まりであるとされ、ハワイのマカヒキの祭りなど、大々的な祭祀が執り行われています。

12月25日に行われるキリスト降誕祭(クリスマス)も、元々はゲルマンの太陽の復活を祝う冬至の祭りがキリスト教化されたものと考えられています。北欧ではモミの木を立てて冬至祭りを行う地域もあるそうです。

日本でも、地域により様々な冬至の行事が残っています。
冬至、大晦日、節分、いずれかの夜中の12時に、恵方(その年の神様がいる方向)へ向けてお祀りする「一陽来復」と書かれたお守りがあったり、「冬至の火焚き」と呼ばれ、冬至に戸口や炉で火を焚く習慣もあるそうです。

現代において、日本では冬至を祝う家庭は少なくなりましたが、元々冬至は厄を払い、運を向上させる節目の日だったのですね。

そもそも二十四節気とは?

二十四節気一覧

二十四節気は、太陰太陽暦(旧暦)で季節を知るための目印として使われていました。1年の黄道上の太陽の動きを基に、24等分して決められています。

冬の二十四節気には、「冬至」の他に、「立冬(11月7日頃)」「小雪(11月22日頃)」「大雪(12月7日頃)」等があります。

二十四節気をさらに5日毎に細かく分け、気象の動きや動植物の変化を伝える「七十二候」と呼ばれるものもあります。

例えば12月22日~26日頃にかけては「乃東生(なつかれくさしょうず)」。「夏枯草が芽を出す」季節なのだそうです。

「運」を呼び込む!冬至の日の行事食

冬至の食べ物イラスト

冬至の日に食べる食べ物は、地域によって様々です。

一般的には、冬至の日には「にんじん」等の「ん」が付く食べ物を食べると、運が呼び込めるとされています。これは、「運盛り」と呼ばれ、運が高まり始める日にもっと「運」を呼び込むために、「ん」の付くものを食べようという縁起かつぎから来ています。

そして、運を呼び込む「冬至の七種(ななくさ)」と呼ばれるものが、「南瓜(なんきん=かぼちゃ)」、「蓮根(れんこん)」「人参(にんじん)」「銀杏(ぎんなん)」「金柑(きんかん)」「寒天(かんてん)」「饂飩(うんどん=うどん)」の7つです。

運盛りは、縁起をかつぐだけではなく、栄養をつけて、冬を乗り切るための先人たちの知恵でもありました。また、「ん」には、「いろはにほへと」から始まるいろは47音が「ん」で終わることから、一年の終わりを表し「一陽来復」へ通じるという意味も込められているそうです。

かぼちゃのことを「唐茄子」といったことから、「豆腐」等の「と」のつく食べ物を食べるのが良いともいわれている地域もあるそうです。

地域によって様々な冬至の過ごし方があるので、家族の人に聞いてみるのもいいかもしれません。

かぼちゃを食べると風邪をひかない?

かぼちゃ

運盛りの一つとしても特に定着しているのが「南瓜(なんきん=かぼちゃ)」。運が「陰(北)」から「陽(南)」へ向かう意味も込められているそうです。

本来かぼちゃの旬は夏ですが、きちんと保管すれば2~3か月保存することができます。かぼちゃはカロチンやビタミンB郡が豊富で「中風(脳卒中)」や「風邪」を予防するといわれています。

当時の日本人にとって冬を乗り切るための貴重な栄養源だったのではないでしょうか。

邪気を払う冬至粥

小豆

冬至の行事食として、小豆を使った「冬至粥」があります。
小豆の赤色が邪気を祓うとされ、翌日から運気を呼び込もうという行事食です。また、煩悩を清めるとも言われています。

小豆は豊富なビタミンB1を含み、疲労回復、肩こり等に効果が高いとされています。利尿効果を高めてむくみを解消したり、強い解毒作用で体外にアルコールを排出してくれることから、二日酔いにも効果があるそうですよ。

かぼちゃと小豆を煮込んだ「いとこ煮」

冬至に、かぼちゃと小豆を一緒に炊き込んだ「いとこ煮」を食べる地域もあるそうです。

いとこ煮の由来は、硬いものを追々(おいおい=甥)入れて、銘々(めいめい=姪)炊き込んでいくことから名づけられた料理だそう。地方により野菜と豆の組み合わせは異なり、必ずしもかぼちゃと小豆を炊いた料理というわけではないそうです。

元々は、神様への供物を集めて煮たことから始まった風習で、正月や事八日、祭礼、収穫祭等の行事に食べられていた料理だそうです。

こんにゃくと冬至

こんにゃく

こんにゃくを冬至に食べるという地方もあります。これは「砂おろし」といい、体内にたまった砂を出すために、こんにゃくを食べるという習慣です。

こんにゃくには非水溶性の食物繊維が含まれており、体の中で溶けずに腸まで運ばれるため、有害物質を体の外へ排出してくれます。また、腸壁を刺激することで、便通を促し、便秘の予防にも役立つとされています。

冬至におすすめの運盛りレシピ

かぼちゃの煮物
【かぼちゃの煮物】

スタンダードなかぼちゃの煮物。

かぼちゃのそぼろ煮
【かぼちゃのそぼろ煮】

しょうがも入ってぽかぽか温まる料理です。

ぶりのかす汁
【ぶりのかす汁】

こんにゃくを使った料理。「にんじん」と「だいこん」で運も一緒に呼び込みましょう。

とろとろお豆腐スープ
【とろとろお豆腐スープ】

豆腐をつかった料理。「と」の付く「豆腐」と、「ん」の付く「れんこん」入り。

柚子湯でぽかぽか厄払い

柚子

「柚子」は「融通」がきく、「冬至」は「湯治」の語呂合わせという説もありますが、もともとは厄払いの「禊」のために柚子湯に入っていたようです。

現代でも大切な儀式の前にはお風呂に入ったり、神社の参拝の前には手を洗ったりしていますね。

また、香りの強いものは邪気を寄せ付けないとされていました。冬至の日には、明日からの陽の気を取り込む前に、柚子の香りで邪気を祓って身を清めていたのです。

柚子の実は実るまでに長い年月がかかることから、苦労が実りますようにという願いも込められていたそうです。

もちろん柚子湯には、ビタミンCによる美肌効果や、血行を良くして冷え性を緩和する効果があったりと、現代人にも嬉しい効能がありますよ。

柚子湯の作り方

柚子湯の作り方1
【1.そのまま浮かべる場合】

柚子を半分に切ったり、輪切りにしたりしてお風呂に浮かべます。切らずに丸ごと入れる場合は、成分が出にくいので多めに浮かべたほうが香りを感じることができます。

柚子湯の作り方2
【2.袋に入れる場合】

柚子を半分に切ったり、輪切りにしたりしてガーゼや洗濯ネットで作った袋に入れ、お湯に入れます。

袋に入れると柚子の形が見えないというデメリットもありますが、切ることで中から成分が出やすく、ネットで果肉が散らばりにくいので、入浴後のお風呂の掃除がしやすくなります。

柚子湯の作り方3
【3.絞る場合】

より柚子成分を楽しみたい場合は、柚子を絞るのも効果的です。

大きめのボウルに柚子を入れて、熱湯を約2リットル注ぎます。その後20分程蒸らし、冷めたら柚子を袋に入れて絞り、柚子の絞り汁をお風呂に入れます。

絞った後の果実を、そのまま袋ごと浮かべると、より成分が出ておすすめです。

最後に

冬至の行事食や習慣は、何かと忙しい年末に体調を整え、寒い冬を乗り切るための生活の知恵でもあります。厳しい季節を乗り切り、元気に春を迎えましょう。

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※この記事は2018年12月22日の公開後、追記・修正をして2019年12月5日に改めて公開しました。