【IHとガスコンロを比較】第2回:加熱の違いが調理にどう影響する?
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更新日:2018年05月15日
IHクッキングヒーターとガスコンロ……どちらもおいしい料理には欠かせない調理器具ですが、どこが違うかご存知ですか?
今回はIHとガスコンロの加熱の仕組みを比較。それぞれの特徴が料理のできばえにどう影響するのかを検証しました。
IHとガスコンロの加熱の仕組み
IHクッキングヒーターの場合
コイルに電流を流し、接している鍋底(金属)部分だけを加熱します。鍋の中の熱は鍋底を中心に内側から外側へ小さく対流します。
ガスコンロの場合
ガスの炎の熱で鍋底と空気を温め、鍋を包み込むように加熱します。鍋の中の熱は外側から内側へ大きく対流します。
加熱の違いで調理への影響はどうなる?
調理の基本となる「煮る」「焼く」「炒める」。それぞれの調理方法について、IHとガスコンロを比較しました。
煮る
フライパンに水を入れて火にかけ、1分30秒後に水が沸騰した状態で比較しました。
IHクッキングヒーターの場合
鍋の中央と端で泡の大きさにバラツキがあり、温度差があることが分かります。
このため調理中は煮汁の対流が起きにくいので煮えムラになりやすく、焦げ付かないよう調理中は頻繁にかき混ぜる必要があります。
ガスコンロの場合
鍋全体に細かな泡ができており、ほぼ均一に沸騰している様子が分かります。
調理中は煮汁の対流が活発なので、食材に味が染み込みやすくなります。また、鍋全体を均一に煮込むので、美味しく仕上がります。
焼く
同じ火力で餃子を焼き、焼きあがるまでの調理時間と仕上がりで比較しました。
IHクッキングヒーターの場合
調理時間:12分30秒
IHは中心のコイル部分のみ高温になり、鍋端の温度は低いため、焼きムラになりやすい特徴があります。
そのため餃子の中心はこんがりと焼けていますが、外側は焼色が薄く色づく程度。食べるとふにゃっとした部分もあり、食感にもバラツキが出てしまいました。
ガスコンロの場合
調理時間:9分
炎がフライパンを包み込むように加熱するので、フライパンの隅まで均一に火を通すことができます。
全体の調理時間も、IHよりも短い焼き時間で完成。全体的にムラなくこんがりとした焼色がつき、サクッとした食感に仕上がりました。
炒める
IHクッキングヒーターの場合
鍋全体の温度が上がらないため、食材を入れると温度が下がりやすくなってしまいます。
そのため均等に火を通すのが難しく、水っぽい仕上がりに。中華料理でおなじみのフライパンを振りながら炒める「あおり炒め」ができない機種もあります。
ガスコンロの場合
ガスならではの高温調理で食材の旨味と水分を一気に閉じ込め、シャキシャキした食感に。
炒めているときに炎が見えるので感覚的に火加減が調節でき、IHに比べ調理時間も短く仕上がります。
まとめ
煮る | 焼く | 炒める | 調理時間 | |
---|---|---|---|---|
IH | △煮えムラあり | △焼きムラあり | ×水っぽくなりやすい あおり炒めに不向き |
遅い (12分30秒) |
ガスコンロ | ○均一に煮込む | ○均一に火を通す | ○香ばしく仕上がる あおり炒めができる |
速い (9分) |
※体感型ショールーム「ピースナッツ」調べ
●IHは中央(コイル接触部分)と端(非接触部分)で温度差ができ、焼きムラ・煮えムラができやすい。
●同じ条件で調理した場合、調理時間はガスコンロの方が短い。
●シャキシャキさせたい炒めものは、ガスコンロの方が得意。
いかがだったでしょうか。
ガスコンロとIHは加熱の仕組みが異なり、その違いが料理のできばえや味に直結!IHではおいしく仕上げるためにはコツが必要なことが分かりました。
前回の連載はこちらから
【第2回】加熱の違いが調理にどう影響する?
【第3回】グリルの違いを見てみよう